大前さんにしては突っ込み不足という感が否めない。「大前氏にしては」だけど。

「米国化」が進む日本、いずれ「三つ子の赤字」に陥る | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉:日経BPオールジャンルまとめ読みサイト
 http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20130521/351344/

国内市場が成熟してくるに連れて国内企業が生産拠点を海外に移すなど「外に出て行く」のは(鎖国でない限り)必定なので、その分を外資に呼び込むことでバランスさせて国の経済を(雇用も)維持していく必要がある、という主要論旨は正しく、個人的にも異論はない。 が、その解決策が「外資を呼び込む工夫や取り組み」か?
いや、それらが必要でないと言いたいのではない、それはそれで必要であろう。
が、それ以前のもっと根本的問題として、2006年の最高裁判決に始まる貸金業への規制強化や、村上ファンドや堀江貴文氏を重罰に処したのにみられるまともに機能していない行政&司法(恣意的行政の影響下にある司法)、また合法的買収行為に対して「ハゲタカファンドから守る」と称して後出しジャンケンの防衛策(違法の疑いがある)を擁護してしまう行政 [1] ・・・「ルールのない国でビジネスはできない」という問題、これを放置したままで外資を呼び込む工夫や取り組みを行なっても功を奏するわけはない。
(同コラムの他の記事でこの点は指摘しているので大前氏が認識不足でないことは明らかではあるが)

参照:池田信夫 blog : 中国と日本のカントリーリスク – ライブドアブログ
  http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51810900.html

——–[ 脚注 ]—————-
  1. 行政が司法の役割までしてしまっている点も問題である