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Fairyel sphere なんでも目安箱

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re:無題
庄司拓哉(2006/01/20 18:15)


りんごさん 書き込みありがとうございます。

 最初にお願いを。 この掲示板は、同一テーマの話題を纏めて参照できるツリー形式になっております。 これは後で読み場合に読み易いようにという考えからです。
 ですので、基本的に最初に投稿した発言へ続けるかたちで投稿をお願い致します。
 既発言はこちらで修正しておきました。

> ?こちらのホ?ームページで紹介されている「父性の復権」読ませていただきました。
> この本によれば対人恐怖の原因はしつけによるもの(父性の欠如)であると?書か?
> れているみたいなのですが、私はそれはまったく逆なんじゃないかと思います。?
> むしろ、対人恐怖は感情を抑圧する環境、正直な感情の発散や表現を「良しとしな
> い」教育環境の中で育った人に多くみうけられるように思うのですけど?

 残念ながら『父性の復権』を(意味を取り違えているという意味で)ちゃんと読んでおられないように思います。
 「父性」と「父権的」を混同しているのが原因だろうと思います。 この手の誤彪は正しい父性に触れた経験の乏しい方にありがちなもので、、、正しく父性を以て接した貰った事がないので、知らないものは誤解しても仕方ないのかも?とは私は思っていますが。

 「感情を抑圧する環境」「正直な感情の発散や表現を「良しとしない」教育環境」とは正に「父権的」なものです。 父権的とは父性的なとは似て非なるもので「権威主義的」と言い換えても良いでしょう。
 権威というのは「○○さんは○○の権威だ」という言い方で分かる通り、或る知識なり学識なり経験なりが並以上の優れたものを有する人を、その実力を評価し敬意を表する言い方なわけで、つまり権威というのが尊敬の対象となるのは、その能力なり、場合によれば人柄、人間性の故だということです。 結果としてそういう人が
大学教授であるとか、○○研究所主任研究員とかの肩書きになっている事も往々にしてありますが、これはあくまで結果だという事。
 ところが社会が或程度以上成熟してくると「そういう肩書きのある人=偉い人」という図式が出来てきます。 すると今度は、実力も能力も人に自慢できる程の何某かも持っていないのに、人から尊敬され、また人の上からものを言いたいがだけの邪な動機から、そういう肩書きを手に入れようとする人が出てくるようになってきます。 つまり、権威と言うものを結果だという正しい認識を持たずに、その立場なり肩書きを持てば、権威になれるという勘違いです。 当然、これを支えるのは、肩書き等があるだけで無批判に「偉い人だ」と安易に思い込む一般大衆心理ですが、そもそも権威というのが正しく機能していれば「肩書き=権威」である筈なので、これをイチイチ検証せず権威だと信じ込む一般大衆を責める事は出来ません。

 こういう「地位」「立場」「肩書き」など、つまり「容れ物」を権威だと誤解し、その中身の事を顧慮せず、容れ物を手に入れようとする姿勢、または容れ物を手に入れているだけで権威だと誇示しようとする姿勢のことを「権威主義」と言います。 また、前述の肩書きだけで有り難がる一般大衆心理を指して「権威主義的」と称します。
 昔から言い習わされている「虎の威を借る狐」これが正に権威主義的そのものです。

 つまり父権的とは、お父さんとして家族から尊敬が自然と集まる努力を積み重ねていった結果としての「家族からの尊敬という権威付け」を、「父親だから尊敬するに決まっている」「父親だから尊敬して当然」という本末転倒(原因と結果を入れ違えてしまう間違い)を犯しているものを形容する言葉なのです。 ちゃんと父親らしい事をしていない父親が「父親だから尊敬しろ」と強いてくるなど、正にこれです。 本当に父親らしいことをしていれば「尊敬しろ」などと言わなくても子供は父親を尊敬します。 母親も同じく。

 誤解無きよう補足しておきますと、父性というものが正しく機能し、その結果としての父親の地位が確かに保証されている限り、父権は父性を伴っていて当然ですから、この二者は一致しているので、この場合はどっちがどっちでも良いのです。
 ですが、これが一致していない状態になると、この二者は違うものだと認識を新たにしないといけないことになります。 ですので林道義先生の著書のタイトルは、父性の「復権」となっているのです(「復権」とは元々有効性があったものが時代の流れ等で、その本来の意味を失い掛かっているものを、再認識、再確認し意義を取り戻す事を意味します)。

 この点、父性的なのと父権的なのは違うという点は、何度も口が酸っぱくなる位に何度も『父性の復権』の中で林道義先生が書いている事です。 大事なポイントですので、見落とさないようにして下さい。

 また、父権的な対応とは、いわゆる「公式主義」とも通底します。
 公式主義とは、何らかのルールなり決まりが定まった後、そのルールは何故あるのか、如何なる考え方に基づいているのか、などを忘れてしまって硬直化したルール等の運用をしてしまうことです。
 「仏作って魂入れず」とは正にこのこと。 仏像というのは単なる物体(形式)でしかありません。 これが尊崇の対象となり得るのは、その背後に教えなり宗教哲学、精神性(内容)があるからです。 反対に言って、内容が伴っている限り意味がありますから形式は尊重されるべきなのです。 この点を勘違いして昨今は「形式などどうでも良い」という風潮が強いですが、今書いたように形式とは本来、内容を表わすものですから、その中身が伴っている限り軽んじてはいけません。

> ?たとえば「腹がたっても怒ってはならない」「よい子は泣いてはならない」?「我
> 慢しなさい」とか・・・。

 上記と並んで重要な点、こちらも見落としていますね。
 『父性の復権』の中で林道義先生が述べられている通り、父性が健全に機能するには
1:父性自体が(これの主な担い手である父親が)健全であること。
2:父性と表裏一体の関係にあり、こちらが正しく機能しないと父性も正しく機能できにくくなる「母性」、こちらも健全に機能していること。
の二点が十分条件です。

 人間、時として我慢というのは(特に社会性を要求される場面で)必要で、その為には場合よれば理不尽な事にも敢えて目を瞑らなければならない場合があります。
 父性の一側面として確かに、こういった我慢を強いる面がありますが、これは我慢しても尚自分を支えきれる「情緒的支え=母性」を持っていて初めて達成されます。
 つまり言い方を変えるなら、母性の裏付けのない父性は、かなり簡単に父権的に姿を変えてしまう、です。 同じことが母性にも言えて、父性の裏付けのない母性は「単なる甘やかし」に堕してしまう、です。 母性と父性はこういう補完関係にあるのです。

 上記に条件の何れか、または何れもが損なわれた家庭に育った人の多くは、誤った父親像を持っています。 そして、その「誤った父親像」に基づいて「父親像等は、そもそも幻想」的な論理を展開する人が少なからず居るので困りモノなのです。 実際には、本物を知らずにニセモノを前提に「こんなものはニセモノだ」と言っているだけなのです(ニセモノしか知らない人は往々にして、全てがニセモノであると思い込みやすい)。

> ?あと対人恐怖は民族固有の病気だといわれていますけど、日本人は自分の行動に
> ついて他人にどう思われようか気にしますよね。

 この関係は現在一般論的認識として広く受け入れられているものですが、日本人の文化伝統を正しく認識しない(主には戦後の誤った歴史観に基づいた)誤った認識だと私は思っています。
 私の意見を鵜呑みにする必要はありませんが、と同時に上記の見解も鵜呑みにはしない方が良いでしょう。 少なくともご自身で、本当にそうなのか確認するまでは信じ込まない方が良いと思います。
 対人恐怖症が日本人固有の病気だというのも間違いです。 例えばアメリカ人にだって対人恐怖症の方は居ます。 アメリカには居ないことになっているので対人恐怖症とは診断名が付けられていない場合が大半ですが、「アメリカには居ないことになっているから」という理由でのそれは欺瞞以外の何ものでもありません。

 僕が知る限り「日本人は自分の行動について他人にどう思われようか気にする」が過度であるというのは、戦後の学校教育がそう日本人を仕立て上げようという意図を以てそう信じ込ませたに過ぎないように思います。 ですので、僕の意見は、その(或る種の)洗脳からご自分を解放した方が良いでしょう、となります。

> くさいものにはふたをする、異質なものを排除したがるという文化的な要因のほう
> が強いのではないですか??

 こちらも上記に同じくで、「臭いものには蓋」的な行動を取る傾向を強めたのは戦後であるように思います。 つまり日本の文化伝統なのではない。
 ですから、これに基づいた日本人論、日本文化論を展開するのは、そもそも間違った前提から始めているので結論も違っていると思います。

********** 庄司 拓哉 *********
Mailto:yumesaki@mono-style.com
http://therapy.under.jp/dream/
** 物語り研究所「夢前案内人」**


このメッセージの親記事です

無題 : りんご (2006/01/20 04:34)
このメッセージに対する返事です

re:無題 : りんご (2006/01/21 13:25)

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