2009年11月にmixiの日記に書いた内容の転載です。 S.ジョブス 追悼の代わりに。


探し物をしてたら書きかけで放置していたまま忘れていたのが出て来た。
話題的に今アップしても機会を逸していないと思われるのでアップするざんす。
書きだし部分は書いた当時のままですが、そういう経緯なのでとご了解下さい。
—————————————————————————–

 キッカケは、お盆休みの暇にあかせて特に当てなく適当にネットサーフィンしていて、iPhoneに対する世情の評価はどんなもんじゃろか調べてみようと思い立ち、賛否両論あれこれ広く目を通してみようと色んなページ(サイト、ブログ)を読んでみた。

 大雑把にざっくり言って、既存の携帯が提供する各機能やサービスに依存度の高いコミュニケーション・スキル文化を構築してしまっている層(僕に言わせれば「携帯に使われている層」。たぶん平成生まれに多い)は、これらの機能面で劣るのを理由に否定派に、パソコンを中心にインターネット文化で生きている人は肯定派になっているという感じ。
 既存の携帯電話をガラパゴス携帯と呼び、その非汎用性 [1]に嫌気が(僕の場合は最初から)差していた故、iPhoneを大絶賛する層に基本的には賛同し与するのは否定しないが、今回したいのはそういう・・・今までの携帯電話は如何にダメダメでiPhoneが如何に素晴らしいか・・・話ではない。

 じゃなくて、iPhone肯定派と否定派の対立軸として、色んな人の意見に目を通して見えてきたものがあって、、、それは、割とあちこちで言われていて実際Appleも自社製品を宣伝する文言として使っている「○○は直感的に使いこなして行けるようにできている」というもの。 「○○」には当然「Mac」や「iPhone」「iPod」「Mac OS X」などが入る。
 否定派の多くに見られたのだが「直感的に使える(わかりやすい)って嘘じゃん!」という意見があって、この言葉の意味の解釈、受け取り方に、肯定派と否定派とでは大きく落差があることに色んな人の意見に目を通している内に気付いた。

 細かい説明抜きにアッサリ言ってしまえば、否定派に傾いている人の全員とは云わないがかなり多くが、この言葉を文字通り、言葉通りに理解しているということ。。。つまり「ぱっと初期画面を見ただけ、どのボタンなりメニューなりをどう操作すればどういう動作になるのか一目瞭然に分かる」という意味だと思っている。
 この大いなる誤解。

 Macユーザならほぼ全員が納得してくれるであろうと思うのだが、Appleの製品の一番の特徴は『好奇心を満たしてくれる構造を内包している」だ。「これ押したらどうなるんだろう?」と思うや直ぐに押してみる・・・「試してみれば分かることは試せばいい」と即行動に移すタイプの人・・・好奇心、探求心の強い人が興味が引かれやすい、また「これ押してみたら、たぶんこうなるんじゃないかな?」と確かめたくなる謎解き心をくすぐる仕掛けになっている部分が少なくない』ということ。
 つまり逆に言えば、操作を実行する前にどうなるか程々に匂わしつつも結果は或程度みえにくいように作っているということなので、こういう「匂わし」にピンと来にくい勘の悪い人、不安や恐怖心を抱くタイプの人達には「わかりにくい」(少なくとも「わかりやすくなんかない」)と受け取られるのだろうということ。
 個人的には「落語的」だと思う。 その後どうなるか何となく程度には読めそうで、でも蓋を開けてみないとわからない構造にしている。
 個人的にはジョブス氏に「お前、落語好きか?」と訊いてみたい。

 Macユーザの皆さん「直感的でわかりやすい」って言うの止めませんか?
 「好奇心の琴線(アンテナ)に小気味よく触れてくる」とでも言う方が最適だと提案したい。

——–[ 脚注 ]—————-
  1. 各携帯キャリアが自分たちの世界に、「囲い込み」というビジネス戦略的エクスキューズの元に顧客を閉じ込めて不自由を強いるやり方。