ご本人も「正論」と云う全くその通り。

Joe's Labo : 週刊東洋経済 「65歳定年の衝撃」にインタビュー掲載中
http://blog.livedoor.jp/jyoshige/archives/6239208.html
> 出生率が2.0を割り現状の社会保障制度が維持できなくなるのが明らかとなったのは70年代。
> そのときすでに選挙権がありながら何も変えようとしなかった人間の年金を支払うために
> 選挙権の無かった人間がワリを食うのはおかしいだろう

70年代と聞いて直ぐに思い浮かぶのは、社会党、共産党を支持母体とする所謂「革新系自治体」が日本各地に誕生し“揺りかごから墓場まで”の英国方式が理想のように喧伝されていた[1] の時代であり福祉元年と銘打って保守政党(とされる)である田中角栄内閣が高福祉の方向へ加速させたこと、と同時に田中角栄内閣は御存知の通り「日本列島改造論」をぶち上げ地方への各種バラマキ政策によって東京、大阪、名古屋などの大都市への人口集中を止めた。こういう時代である。
三大都市圏への転入超過と実質GDP成長率の推移(参議院調査室資料より)

三大都市圏への転入超過と実質GDP成長率の推移(参議院調査室資料より)


増田悦佐氏が『高度経済成長は復活できる』で実証している通り、その後のバブル経済で一旦持ち直したかのように誤解している人が多いのとは裏腹に、この70年台の出来事から日本の経済成長は一気に凋落していたのである。一般には「オイル・ショックによって一時的に停滞しただけ」との説明が信じられているが、グラフで一目瞭然の通り「バブルというまやかしの時代」の部分を無視すれば70年代に低空飛行状態に入りバブル崩壊で壊滅状態になっただけ[2] [3]
あの当時は日本がやっと豊かになったという実感が人々に行き渡り、経済的に余裕があったのでその余裕分を、分配を不公平にしか享受できていないと主張する層(または地域)に「まぁ上げてもいいんじゃない? 僕の取り分が減るわけじゃないみたいだし」という気分に流されたのは仕方ないという言い訳はよく聞かれる。確かに、あの時代に今の年齢になっていたとして今できている分析のような冷静な判断が出来たかと言えば、かなり怪しい。だから今の視点から彼らを馬鹿呼ばわりすることはしないし、するべきではない(したところで鬱憤は幾らかは晴れるだろうが問題は何ら解決しない)。ただ、その「自分達が選択した」各施策が誤りだったと、単に誤りだったというだけでなくこれからの世代の足を引っ張り/搾取する仕組みになっているということが明らかになった今、その全てを返上しご破算にするのが道理というものだろう。有り体に言えば「自分(達)のケツは自分(達)で拭け」ということだ。
生活保護レベルよりは緩い基準で良いとは思うが、一定以上収入(預貯金、家賃収入、配当、資産運用収入 etc ありとあらゆる最終的に生活に充てられる金銭、資産)がある人には年金が受け取れないというルール改正にすべき。実際にはこういうルールにすると、まじめに働いて稼ぎがある人ほど貰えない公算が高いので保険料を払わなくなるに決まっているし、その運営コストも考え併せると、生活保護に一本化して、但し「65歳以上の者」は「実際に居住している持ち家」「日常の便に役する自家用車(贅沢品と見做せる二台目以降は除く)」は「生活保護受給資格認定対象から除外」というルールにするのが合理的[4] 。(だから結局「負の所得税」が一番合理的なんだけどね)
この方式のメリットは「行政コストが大幅に節約できる」と「助ける必要のない高齢者へのバラマキをカットできる」で、ザッとした数字だが社会保障費約100兆円[5] のうち、50兆円が年金、30兆円が医療費、それに対して生活保護費は3兆円という数字 [6] を見て、(不正受給者の問題はそれはそれとして放置すべきではないが)大局的にみて生活保護受給者叩きをすることと、どっちが重大な問題か一目瞭然だろう。当の高齢者および目前にしている世代が自分達の損になる論点から国民の関心を逸らせられる生活保護受給者バッシングを支持するのは或る意味合理的だが、若者世代にこの論調に乗っている人達が思いの外多いのはびっくりする。ハッキリ言えば莫迦。 一番最初に引用した城繁幸氏のコメントに戻れば、上の世代が犯した過ちを自分達も繰り返すのかと、上の世代に自分達が受けた酷い仕打ちを今度は自分達が下の世代に殺人パスして行くのかと。これではまるで、親から虐待を受けた人が親になった時に同じように子供を虐待する[7] という「負の連鎖」と一緒ではないか。

現行の生活保護制度は不正(および不正に近いと感じるもの)を抑制する仕組みは一切無いに等しく[8] 、経済学(心理学)的インセンティヴの観点で捉えた場合「働いて生活保護を脱却しようというインセンティヴ」への働き掛けは皆無で、寧ろ「働こうとせずに漫然と受給に安住していた方が得と思わせるインセンティヴ」が強く働く制度設計になっているこれはこれで大事な問題は別途ありますが、今日はこの辺で。

----[ 脚注 ]---------------------------------------------------------------------------
  1. 実際には、この当時で既に英国財政は破綻寸前だったのだが
  2. 池田信夫 blog : 「就職氷河期」はなぜ起こったのか - ライブドアブログ
  3. 『戦後日本の人口移動と経済成長』参議院調査室第三特別調査室 縄田康光
  4. 通常の生活保護は、これら資産が在った場合、先ず処分して現金化しこれで食い繋げれるだけ食い繋いで、その上で無収入のままに至った場合にはじめて申請が受理される
  5. 2010年以降毎年100兆円を超えている
  6. 『生活保護費は増やしても良い。』中嶋 よしふみ
  7. その全てがそうなるということは当然ない。その傾向が本人が無自覚だと顕著になるという以上ではない。言わなくても分かっていると思うが念の為
  8. 非受給者から白眼視されるのを恥と感じる旧態依然とした今や機能していない古典的心理圧迫だけ。なので常軌を逸してバッシングが炎上するのであろう

最終更新日:2014年6月22日