維新の会は支持層の「何を支持しているのか」を見誤ると支持を急速に無くす
4月 13
時事評論 ロジカルシンキングのすすめ No Comments
ここ二週間くらいTVは見ていなく、特に政治のニュースはウェブ記事でも参照してなかったので浦島太郎的エントリーだが、小沢一郎氏のことを持ち上げるコメントをtwitter上でしていたり、橋下氏および維新の会は本格的に中央政界進出を目論んでいると思わせる情報が飛び交っているようだが、過去記事で橋下氏支持を表明している私としては一言云っておかないといけないと思う。
大阪市民、大阪府民には、ここ最近のトレンドなのではなくかなり以前から根強く「東京と一線を画したい」という気持ちがあり、これは正確には「永田町・霞が関と縁を切りたい」であり別に「東京人嫌い」という話ではない。
経済取引相手としての東京圏は無視出来るほど小さい相手ではないので付き合っていきたいが、もしこれが中央政府の影響込みなのならば東京圏とも距離を置きたいというのが本音である。
繰り返すが、ここでいう東京とは「実在の東京という場所」のことでもなければ「実在の東京に住む人達」でもなく「永田町・霞が関」のことである。
私の観察する限りに於いても「大阪独立を目指す」と明言しているからこそ橋下氏を支持している人達が多く居るのだと思われる。
私自身の考えは憲法を含む最低限のものを除いて独自法を制定しての関西道を作ってしまえ(国連の一議席も取る)というものだが、ここまで過激なものを指向している人は少ないだろうが、調度良いタイミングでエントリーされた池田信夫の提案する「チャーターシティ」 なら支持する人は多い、というよりは支持しない人は少ないのではないだろうか?
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同エントリーで池田氏も述べている通り、国内でのパイの分配争いをしている時代ではなく、国境を超えて香港やシンガポールまたドバイなど都市単位で競い合う時代なのである [1] 。 国単位の覇権争いをしている時代は終わって都市単位で競い合う時代に入っているということ、また、なぜ香港・シンガポールなどが国際的に繁栄しているのか考えて盗めるアイデアはいくらでもあるということ、各地域地方が国際的舞台に直接立った方が国全体としても豊かになれること自体は20年以上前に大前研一氏が指摘している。
もちろん、中央政界進出をちらつかせたり等は、中央政界の政局をコントロールしたい駆け引きの一環である可能性も大きいが、こういう政局的駆け引き自体が支持層に嫌われ急速に支持を失う可能性が小さくないことを、もっと橋下氏は認識すべきである。
こういう政局的駆け引ばかりをやってきてる国会議員連中にもういい加減うんざりしている。これが大阪市・府民のみならず日本全国民の大半が抱いているであろう気持ちである。
それに、独自政策をやっていくには現行法が壁となってあちこちに立ちはだかることは事実だが、法改正から着手していくのは手続き論としては正しくても、現行法を盾にとって政策を潰し政治家を身動きできない狭路に閉じ込めるのが霞ヶ関官僚の伝統的常套手法である点に鑑みれば [2] 、そこに入っていくのは実に危険極まりない。